新聞小説を読む 朝日新聞朝刊 「また会う日まで」382話~391話
作 池澤夏樹
391話 立教高等女学校8(要約羊)
外の工場に生徒を出すよりも目が届いてありがたい、と門馬校長が言う。
もう一つは、三十年学校運営に尽力した副校長だったアメリカ人が戦争前に帰国している。
おそらく彼はこの学校が聖公会のものだと伝えているだろうから、ここが爆撃される可能性は低い。
こんなことを軍人に対して言えば、憲兵に通報される恐れもある、というので、わたしは門馬氏と同じ思いなので通報はしない、と告げた。
立教の生徒たちを「目の届くところにおきたい」と願ったのは校長だけではない。利雄も何話か前にそう語っていました。
おっちゃんたちに庇護されて、幸せだこと。
…というか、これは単なる身びいきということ。立教の生徒たちがやらなかったことは、他の学校の生徒たちがやらされただけのことだからね。
*明日からブログでは新しい記事になります。どうぞよろしく。
382話 戦争の日常 29 (要約羊)
2年ほど前、召集をまぬがれようと、一か月炒めたウドンだけ食べて15キロの減量をしたが、検査で合格してしまった。
東大仏文を出て参謀本部の暗号解読に従事している彼を、戦場に送りたくない。彼には鉄ではなく紙が似合う。
父の末次郎のことを聞くと、神戸で元気にしていて再婚することになったというが、短気を起こして銀行はやめてしまったという。
炒めたウドンを大量に食べればめちゃめちゃ太りそうですがそれで減量、とははて、どんな食べ方をしたんでしょう。
それにしても1か月で15キロの減量というのは、酷過ぎて考えたくもありません。武彦しゃん。自由だなあ。
いや自由なわけじゃなく、もっと深刻だったのかもしれませんが、こうやってフラリとやってきて父の再婚の話などしている今は、ノンビリした感じがします。
性格でいえば、末次郎さんは頑固な人だと二人で証言してますね。
武彦も、なかなか苦労した境遇もあって、ちょっと興味わきますが……
利雄さんですよ。
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いや、最近はどんどん好感度あげるようなこと言ってはいるんですけどね。
まあ、この小説、利雄の好感度はいらんのかな?
383話 戦争の日常 30 (要約羊)
翌年兄の新が二人の息子を連れてやってきた。
兄は今は強力な新航空機の『紫電改』の一部を造る工場の長をしている、という。
2人の息子は16歳と12歳。科学の道に進ませたいのでわたしから話をしてくれ、という。
どうやら兄は戦後息子たちが生きるべき道を考えているのだ。
わたしは科学が時代と国を越えて普遍であることを話した。
「紫電改」…お、ひょっとして昨日の回の「やよハゲめよ」は伏線だったか?
んなことはないね。「紫電改」というと今思い浮かぶのはあの養毛剤なもんで…
こんなに厳粛な回になんちゅうことを言うのか、失礼いたしました。
384話 立教高等女学校1 (要約羊)
《山本五十六連合艦隊司令長官の戦死など、悪化する戦況は日常生活にも大きな変化を及ぼしていた。そんななか、わたしは肺の病気で療養し、改めて聖書をひもとき、信仰と科学について思いをはせた。復帰後、学徒出陣が始まった。》
水路部の仕事には太平洋などでの測量や観測が必要である。
開戦してから戦域も広がり、船も増えたが、戦況悪化で戻らぬ者がふえた。わたしが入った当時は六百名ほどだった陣容が今では三千人を超えている。
亡くなった者への喪失感と明日は我が身という恐怖感が水路部を覆っている。
海軍は西太平洋全域で劣勢で海路を守り切れていないが、人員と艦船を出さざるを得ない。
これが戦争なのだ。
今日から新しい章になりました。
水路部に学徒動員された高等女学校の女子たちの話になりそうですね。物語に女性の力が入ってちょっと明るく…突破口が開かれるかしら。
385話 立教高等女学校2 (要約羊)
各部局で空襲の脅威から守るために疎開という言葉が飛び交う。
航続距離の長い爆撃機が大挙して国土に来る日は近い。それを迎え撃つ戦闘機は不十分だし何よりパイロットがいない。
敵の爆弾搭載量は多く、威力は強く、こちらの弾が当たっても平然と飛び続けるという。
深刻なこの事態を受けて、中心部にある枢要機関を遠くに移すことになり、水路部でもこの方針が決まる。
受け入れ施設は何とかなるだろうが、職員は通勤を強いられ、労力補充もいるが男子は国内に残っていない。
なるほど。女子学徒が動員されることになる理由の一端が記されました。
初めの章でサラリと全貌を流し、あとで詳しく語っていくスタイルだなあ、と今さらながら。
国からの情報はほとんど流されていないのに、国民は総動員全力で戦争に加担していく……という何とも哀れな情勢です。
でも、(伏線でちょっと出てきたように)思春期の女子は思ったよりタフで、状況を集団で笑い飛ばせる精神力もあるのでしょうね。
386話 立教高等女学校3(要約羊)
第二部の部長であるわたしは、縁の深い第四課をどこに移すか、第四課長の塚本と相談した。
塚本は東京帝大時代の同僚で、同郷でもあり親しかった。
塚本は築地にある立教高等女学校を候補にあげた。
この学校は聖公会が設立していてわたしも何度か行っていて、知人もいて親しい。
そこの生徒を戦争に巻き込むことにためらいはあったが、陸軍などに手を出される前に自分の管理下に置いておきたくもある。
近隣に軍需工場がないので、誤爆される可能性も少ない。
なるほど。立教高等女学校を巻きこんだのはやはり利雄の意向が大きかったのですね。
聖公会関係ということもあり、どうも利雄が怪しいとは睨んでたんですが……。
さて。どんな女生徒たちが水路部で働いていたのか…
写真を見つけてくれたのは、まつの緑さんです。(この写真のおかげで、とても身近に感じられます)
中の笠岡分室の集合写真の中に、利雄らしき人物も発見してくれています。
なお、この写真の元記事は、「星の友会」のサイトで、
「星の友会」は、戦前は海軍、また戦後は海上保安庁にあって、「天体暦」や「航海暦」の編纂を主とする業務に携わってきた者達が作る会……だそうです。
387話 立教高等女学校4 (要約羊)
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数年前に立教高等女学校を卒業して水路部に来た浅岡という職員がいるという。彼女を使者に立てて水路部の意向を伝えよう、という話になった。
憲兵ずくではなくあくまで水路部らしく紳士的に、と言いながら、『玉砕』という言葉が増えてきた昨今、そうも言ってられない現実もある。
「撤退」を「転進、「全滅」を「玉砕」と言い換えて負けを負けとして認めない、身内でかばいあう。それでは国が亡びる…
などと気を許して話せるのも塚本が純粋の理学者だからだ。
信仰がある人には心の支えがある。僕も倣いたい、と塚本が言う。
昨日の「星の友会」のサイトの中にあった、笠岡分室の中での立教女学校生徒たちとの集合写真の中の利雄らしき姿。
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細面・撫で肩・中井貴一……
それにしても、まつの緑氏は、ほんとによくぞ探し出してくださいましたねえ…
見てない方は是非見てください。ありありと当時の水路部女生徒の様子がわかります。
388話 立教高等女学校5(要約羊)
日本はアメリカと違って、現地調達が原則だ、という話などする。
Mの受け売りだが、友人は生還できる可能性は低くないと言ってやる。
敵は作戦を変え、太平洋の島の脅威になりそうもないところは放置して行く、という。
389話 立教高等女学校6(要約羊)
翌日浅岡済子という職員を呼び出し、水路部からの使者をしてくれと頼む。
「お願いの趣旨はこういうことだ。まずは建物をお借りしたい。その上でできることなら生徒たちに水路部の仕事を手伝ってほしい」
浅岡に信仰の有無を聞くと、礼拝堂ではいつも祈っていた、という。
今は礼拝が禁じられ、みな素早く簡略化した形式でお祈りをしているとのこと。主はどんなお祈りでもきいて下さる、とわたしは言う。
2日間ためてしまいましたが、物語はほとんど進んでいませんでした。
390話 立教高等女学校7(要約羊)
わたしより二十歳ほど上の校長は国文と漢文が専門で、キリスト教系の学校を理念を貫いて経営していると共に、能楽の普及にも努めているとのこと。
温厚な紳士である門馬氏に、第一に建物を借りたいこと、第二に生徒たちの労力も借りたいことをお願いする。
具体的には紙とペンと算盤と計算尺と計算機での机上の仕事で、集中力を要し、間違いは許されない仕事だ、とも。
校長は受けてくれた。
あの信頼できそうな風貌で、しかも知的な利雄から誠意をもって頼まれれば、受けてしまうのも当然なのでしょうか。
情勢としてはもう校長はとうに覚悟していたのかもしれません。
しかし登場以前に、門馬校長はきっと「信頼できる」「いい人」に違いない、と読めちゃいました。
案の定でしたね。何だかこの上なく信頼感のある紳士だったみたい。
…そんなことあるのかしら。
利雄の視点だとしたら、利雄には偉くなった人間はみんな「自分のような」温厚な紳士に見えちゃう?
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